便利アイテムを利用した体位変換

要介護者の中には自分の力で体を自由に動かせない寝たきり状態の人も少なくありません。
介護職では寝たきり状態によって起こる床ずれや骨の変形を予防するために定期的に体位変換を行います。
仰向けから側臥位など文字通り異なる姿勢に変える体位変換は頭でイメージしている以上に労力を必要とする作業です。
腕力に自信のない女性や介護職に就いたばかりの新人は作業に手間取り要介護者に負担を掛けてしまうこともあります。
こうした問題を解決する便利アイテムの一つがスライディングシートです。
スライディングシートは要介護者の体を持ち上げることなく移動、移乗ができるアイテムになります。
一方向のみに移動できるループタイプ、多方面に動かせる一枚シートなど状況に合わせて使い分けることが大切です。
スライディングシートを使えば少しの力で体位変換ができるのでコツを掴めば一人でも作業を行えるようになります。
側臥位など姿勢によっては体に余計な圧力が掛かってしまうことも多く、その場合に有効となるのがクッションです。
一口にクッションと言っても傾斜が付いている物や長方形などいくつかの種類があります。
傾斜付きクッションは側臥位時に背部から臀部に掛かる圧力を分散する目的で使うアイテムです。
傾斜が30度を超えてしまうと別の場所に圧力が掛かってしまうので角度に気を付けなくてはいけません。
長方形クッションは足同士の間に隙間ができることで起きる筋肉の緊張を和らげる目的で使用します。